当院受診のきっかけ
上の前歯の歯ぐきに、小さな腫れができていることに気づきました。
痛みはなく、普段の生活に支障もありませんでしたが、
鏡で見るたびにその小さな違和感が気になりはじめました。
しばらく様子を見ていましたが、
ある日、歯ぐきにぽつんと小さなできものができていることに気づき、
「これは受診した方がいい」と思い、近くの歯医者さんへ行きました。
そこで言われたのが、
「歯が割れています。抜歯が必要です。」
という言葉でした。
前歯です。
笑うときも、話すときも、ずっと見える場所です。
その歯を抜くという現実を、
すぐには受け入れられませんでした。
「抜いた後、どうなるんだろう」
「見た目は大丈夫なんだろうか」
「本当に抜くしかないの?」
さまざまな不安が頭に浮かびましたが、
その場で決める気持ちにはなれませんでした。
その後、何日も悩みました。
前歯を失うことへの不安、
生活がどう変わるのかという心配、
そして「もっと早く受診していれば…」という後悔。
でも、どれだけ考えても気持ちは落ち着かず、
「本当に他に方法はないのだろうか」
という思いだけが残りました。
そんな中で、
もし違う選択肢があるなら知りたい、
一度ちゃんと相談してみたい――
そう思い、あおば歯科を訪れました。
聞きたかったのは、ただひとつ。
「まだ、この歯を残す方法はありますか?」
ということだけでした。
担当の先生の説明はとても丁寧で、
歯の状態や今起きていることを、同様のケースのスライドを使用して、
時間をかけて分かりやすく伝えてくださいました。
「抜歯」という選択しかないと思っていた自分にとって、
“残せる可能性がある”と言われたことは、
心にふっと灯りがともるような感覚でした。
治療には時間がかかりましたが、
一つひとつの過程が納得でき、
前に進んでいる実感がありました。
そして最終的に、
前歯を抜かずに済んだことを知ったとき、
大きな安心感がありました。
いまでは、
鏡を見ると以前と同じように自然な前歯があり、
日常生活で気になることもありません。
「抜かずに残すことができた」
その事実が、何よりの安心につながっています。
もし、あのとき諦めていたら、
今の自分の笑顔はなかったかもしれません。
同じように不安を抱えている方に、
「念のため、もう一度相談してみる」
という選択肢があることを知ってほしいと思っています。
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右上1番(赤の1番)が欠損していて、黄色1番と黄色2番でつながったブリッジが装着されている 黄色1番の上にフィステル※が存在 |
フィステル(fistel/瘻孔〈ろうこう〉)とは歯の根の先などで起きた感染(膿)が、歯ぐきの表面に出てくるためにできた“膿の出口”のことです。
歯ぐきに白っぽい跡が みられるほか、 赤い小さなできものが確認できるケースもあります。
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拡大してみます。ニキビのようにみえるのがフィステルです。何かの原因で歯ぐきン中まで感染し、腫れています。 |
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ブリッジを外したら左上1番(1)のメタルコアがすでに外れていました。 |
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前医の診断通り、唇側が割れているのが見えます(1) |
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拡大して見ると割れているのが分かります。 |
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ピンセットで割れている小片が動きます。 |
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ピンセットを割れている面に挿入するとやはり、小片の方が動きます。 |
腫れてフィステルを生じている原因は破折でした。保険のルールでは抜歯と決められています。しかし歯科医学的には救うことが出来ることもあります。幸い、加藤さんのケースは唇側の破折ラインが歯肉縁下4mmほどでした。この状態ならば、エクストリュージョンを行い(矯正的挺出)、歯冠長延長手術を行うことで救える可能性があると診断しました。
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エクストリュージョンを行います。正面からは装置が見えないように工夫しています。 |
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約2か月後、ワイヤーに歯根が近づいています。挺出しているのが分かります。 |
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約2か月間、エクストリュージョンを行い挺出後、歯冠長延長手術を行いました。 |
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赤線まで破折していたところです。 |
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歯ぐきが治った後、ファイバーポストで土台を制作 歯肉縁下で割れていた部分が完全に歯ぐきの上に出てきているのが分かります。 |
| 治療前 | 治療中 | |
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| 治療前 | 治療中 | |
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当院からのメッセージ
フィステルも消失し、きれいなセラミック冠が装着されました。抜歯せずに本当に良かったですね。
この症例も、Ortho Zero®の理念を象徴しています。
矯正とは、見た目を整えるだけでなく、
歯を守り、機能を再構築するための医療。
インプラントに頼らず、
“自分の歯でもう一度噛む”ことを目指す方にこそ、
この治療を知っていただきたいのです。


















